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2024-07-31

プリオン病について知る① 緩和ケア専門施設(ホスピス)

福岡市でがん難病専門緩和ケア施設(ホスピス専門)の住宅型有料老人ホーム ひいの邱 と サービス付高齢者向け住宅 ながおの郷 を運営しております株式会社NICEとグループホーム ひいの郷 を運営しております有限会社エス・エイチ・シーです。

今回はプリオン病について書いていきます。今後がん難病施設を運営するNICEでも積極的にプリオン病の利用者様をお受入れしていきます。

プリオンが発見されるまでは、クロイツフェルト-ヤコブ病などの海綿状脳症はウイルスが原因と考えられていました。プリオンはウイルスよりはるかに小さく、また、遺伝物質をまったくもたないため、ウイルスでも細菌でもなく、生きているどの細胞とも異なります。

プリオン病では、細胞性プリオンタンパク質(PrPC)と呼ばれる正常なタンパク質が変形して(異常な形に折りたたまれ)、異常なプリオンになります。この異常タンパク質分子は、スクレイピープリオンタンパク質(PrPSc)(または異常プリオン)と呼ばれます。(スクレイピーとは、最初にヒツジで見つかったプリオン病の名前です)。


スクレイピーはヒツジのプリオン病で、病気のヒツジが自分の体を木や柵柱などにこすりつけて(scrape[スクレイプ])羊毛をちぎるような動作をするため、この名前がつけられています。この病気にかかったヒツジでは、ほかにも奇妙な行動がみられ、最終的には死に至ります。


新しく形成された異常プリオンの一部は、脳内の酵素で分解されず、徐々に蓄積していきます。異常プリオンは、近くにある別の正常なプリオン(PrPC)を異常プリオンに変化させ、この現象が連鎖的に続きます。そして異常プリオンが一定の数に達すると、プリオン病が発症します。異常プリオンが正常なPrPCに戻ることは決してありません。

PrPCは体のあらゆる細胞に存在し、脳には特に高濃度で存在します。そのため、ほとんどのプリオン病は神経系に優位に、あるいは神経系だけに影響を及ぼします。異常プリオンによって生じる最も一般的な変化として、脳細胞内に微小な泡が形成され、脳に極めて小さな穴がたくさんあくことが挙げられます。

異常プリオンに侵された脳組織のサンプルを顕微鏡で観察すると、スイスチーズやスポンジのように見えます(「海綿状」という用語はこれに由来します)。一定の期間が経過すると(長さは様々です)、侵された細胞が機能を停止し、死滅します。

プリオン病には以下の種類があります。

獲得性:汚染された物質を介して感染するもの(まれ)

孤発性:明らかな理由なく自然発生的に起こるもの(最も多い)

家族性:家族内で発生するもの


症状

終末期にはミオクローヌスがなくなり、動けず喋ることができなくなります。進行が速いと1年ほどで死に至る病気です。

プリオン病を発症した初期に出る症状は倦怠感やめまい・視覚異常などです。進行すると認知症に似た症状(言葉が出にくい・意思疎通がしにくい・物忘れなど)が出ます。

症状が進行してミオクローヌス(不随意運動)が発現するようになると、自力での歩行が困難です。発症から半年ほどで寝たきりとなります。


治療方法

症状が進行すると経口摂取が困難です。その場合には経鼻胃管などで経管栄養を行います。

プリオン病はどの類型でも治療法や治療薬がありません。根治ができない病気です。

しかし、プリオンの増殖を抑えて進行を遅らせたり、症状を軽減する対症療法が行われることがあります。進行初期には運動療法などで身体の動きづらさを軽減させます。

プリオン病の診断

プリオン病の診断に役立つ髄液検査や血液検査には、髄液NSE測定、髄液14-3-3蛋白測定、髄液tau蛋白測定と血液細胞を用いたプリオン蛋白遺伝子検査があります。
髄液中のNSE、14-3-3蛋白、tau蛋白の増加は、プリオン病で起こる神経細胞の破壊に伴ってこれらの蛋白が神経細胞から髄液中に遊離してくることを反映しています。神経細胞の破壊を伴う他の神経疾患でも同様に、髄液中にこれらの蛋白の増加が観察されますので、必ずしもプリオン病に特異的な検査ではありません。髄液NSE測定は外注検査会社で行われています。髄液14-3-3蛋白測定と髄液tau蛋白測定は現在長崎大学にて一箇所にまとめ、測定しております。

血液中の白血球を用いたプリオン蛋白遺伝子検査は、遺伝性(家族性)プリオン病の診断を確定するのに必要な検査です。家族歴に同様な疾患の発生がなくても遺伝性(家族性)プリオン病である可能性はあります。その際、プリオン蛋白遺伝子検査はプリオン病診断に役立ちます。また、健常人にも観察されるプリオン蛋白遺伝子の多型(129番アミノ酸の多型、219番アミノ酸の多型)は、そのタイプによりプリオン病の臨床像や病型にも関係しています。プリオン蛋白遺伝子検査は遺伝性(家族性)プリオン病以外のプリオン病の診断にも役立ちます。この検査は東北大学などで行われています。


《 ひいの邱・ながおの郷でお受け入れしている入居対象疾患 》

●がん(末期) ●重症筋無力症 ●多発性硬化症 ●多系統委縮症 ●進行性筋ジストロフィー 
●筋委縮性側索硬化症(ALS) ●後天性免疫不全症候群 ●ハンチントン病 ●脊髄性筋萎縮症
●シャイ・ドレーガー症候群  ●慢性炎症性脱髄性多発神経炎 ●副腎白質ジストロフィー
●パーキンソン病  ●頸髄損傷  ●進行性核上皮麻痺  ●線条体黒質変性症 ●亜急性硬化性全脳炎 
●大脳皮質基底核変性症  ●脊髄小脳変性症  ●スモン  ●オリーブ橋小脳萎縮症
●球脊髄性筋萎縮症  ●プリオン病  ●ライソゾーム病  ●人工呼吸器の方 
●気管カニューレの方

《 ひいの邱 》 ホスピスでホスピスで最期までお看取りができる施設になります。
形態:住宅型有料老人ホーム(デイサービスあり)
福岡市城南区樋井川4丁目9番15号

《 ながおの郷 》 ホスピスで最期までお看取りができる施設になります。
形態:サービス付高齢者向け住宅(デイサービスあり)
福岡市城南区樋井川4丁目4番21号


《職員募集》
緩和ケアを一緒にしたい、想いのあるケアをしたい仲間を募集中!!
現在100名以上の職員が共に働いています。

【看護師】
①日勤ができる方:常勤・非常勤(9時~18時 時間応相談)
②夜勤専従看護師:16時~翌10時 もしくは 18時~翌10時)(2時間休憩)


【介護士】
①日勤ができる方:常勤・非常勤(9時~18時 時間応相談)
②夜勤専従看護師:16時~翌10時 もしくは 18時~翌10時)(2時間休憩)

【事務職】
①日勤ができる方:常勤・非常勤(9時~18時 時間応相談)