新着情報NEWS
ライソゾーム病について知る① 緩和ケア専門施設(ホスピス)
福岡市でがん難病専門緩和ケア施設(ホスピス専門)の住宅型有料老人ホーム ひいの邱 と サービス付高齢者向け住宅 ながおの郷 を運営しております株式会社NICEとグループホーム ひいの郷 を運営しております有限会社エス・エイチ・シーです。
今回はライソゾーム病について書いていきます。今後がん難病施設を運営するNICEでも積極的にライソゾー病の利用者様をお受入れしていきます。
ライソゾーム病とは
細胞の中には色々な役割をもった細胞内小器官といわれる器官があります。それらには染色体を包んでいる核、エネルギーをつくるミトコンドリアなどがあります。その中で、細胞内でいらなくなったタンパク質、脂肪、糖などを壊す役割をするのがライソゾームと呼ばれている小器官です。要するに細胞内の掃除をする役目を担っています。
ライソゾームの中にはタンパク質、脂肪、糖を壊す酵素と呼ばれるタンパク質が多く含まれています。それらは、タンパク質なので設計図は遺伝子です。その設計図である遺伝子に異常があると酵素が正常の働きが出来なくなります。もし、脂肪を壊す酵素の働きが遺伝子の異常でうまく出来なくなると、その脂肪が細胞の中に溜まってきて、結果的に細胞の機能が悪くなってきます。これがライソゾーム病の本体です。ライソゾームには何種類もの酵素があり、それぞれ特定のタンパク質、脂肪、糖などを壊します。現在40種類ぐらいのライソゾームの酵素の異常により発病する病気が知られています。
この病気はどのような人に多い?
ゴーシェ病、GM2ガングリオシドーシス(Tay-Sachs病)、ニーマンピック病A,B型などは東欧のユダヤ人に多い疾患です。その他の疾患は基本的に人種差はありません。Hunter病は基本的に男性に発症します。ファブリー病は両性に発症しますが男性の方が重症な場合が多いです。
酵素によって分類
ライソゾーム病は、どの酵素の働きが足りないかによって病名が異なります。現在、ゴーシェ病、ファブリー病、ポンペ病、ムコ多糖症、酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD) など、50種類以上のライソゾーム病が知られています1)。このサイトでは、5つの病気について詳しく紹介しています。
ゴーシェ病
グルコセレブロシダーゼという酵素の働きがなかったり、弱くなったりしていることで、グルコセレブロシドという物質が分解されにくくなります。お腹が膨れる、赤血球や血小板の減少、貧血、骨症状のほか、けいれん、発達の遅れ、斜視<しゃし>、口を開けにくい、喘鳴<ぜんめい>などの症状が現れることもあります。
ファブリー病
α-ガラクトシダーゼ(α‐GAL)という酵素の働きがなかったり、弱くなったりしていることで、グロボトリアオシルセラミド(GL-3)という物質が分解されにくくなります。手足の痛みや汗をかきにくいといった症状や、心機能障害<しんきのうしょうがい>、腎機能障害<じんきのうしょうがい>、脳血管障害<のうけっかんしょうがい>などが現れます。
ポンペ病(糖原病Ⅱ型<とうげんびょうにがた>)
酸性α-グルコシダーゼという酵素の働きがなかったり、弱くなったりしていることで、グリコーゲンという物質が分解されにくくなります。骨格を支える筋肉や呼吸に必要な筋肉の力が弱くなり、体重が増えにくい、心臓の働きが悪くなるなどの症状が現れることもあります。
ムコ多糖症
ムコ多糖(グリコサミノグリカン)と呼ばれるものがうまく分解できず、体にたまることで全身にさまざまな症状が現れる病気です。体の中でムコ多糖を分解する酵素は10種類以上あり、酵素の違いによってムコ多糖症Ⅰ型、Ⅱ型など7つの型があります。よくみられる症状は、生後6ヵ月くらいまではもうこはんが広範囲にみられる、中耳炎をくり返す、でべそなど、1歳以降はお腹のふくらみがある、大きないびきをかく、発達の遅れなどがあります。
酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)
酸性スフィンゴミエリナーゼという酵素の働きがなかったり弱いため、スフィンゴミエリンと呼ばれるものがうまく分解されずに体にたまることで、さまざまな症状が現れる病気です。お腹のふくらみ(肝臓や脾臓が大きくなる)、息苦しさ、肺炎、貧血などの症状があります。
酵素補充療法の原理
多くのライソゾーム加水分解酵素は、末端にマンノース6リン酸(M6P)と呼ばれる糖鎖構造を持ちます。そして細胞内のゴルジ体と細胞表面の膜構造の中には、この糖鎖と結合するマンノース6リン酸受容体が存在し、結合した酵素をライソゾームに運びます。ゴルジ体にあるマンノース6リン酸受容体は、細胞内で新生された加水分解酵素をライソゾームに輸送します。
細胞膜表面にあるマンノース6リン酸受容体は、細胞外に存在する加水分解酵素を細胞内にとりこみ、さらにライソゾーム内に輸送するのに役立ちます。酵素補充療法はこの後者の輸送系を利用して、欠損している酵素を薬剤として体外から投与することにより、細胞内に欠損酵素を補充し、ライソゾーム内に蓄積している物質の分解を促進する方法です。
酵素補充療法
上述の酵素製剤を点滴静注にて投与することにより、細胞外から細胞内そしてライソゾーム内に酵素を輸送し、ライソゾーム内に蓄積している物質の分解を促進します。製剤により、1~2週間に1回、酵素製剤を数時間かけて点滴します。効果に関しては、ゴーシェ病では貧血、血小板減少症、肝脾腫、骨症状の改善、ファブリー病では腎機能、心機能の症状進行の抑制、ムコ多糖症I型では肝脾腫、呼吸機能、歩行試験、関節可動域の改善が認められます。
副反応としては、主に投与に関連する反応(発疹、蕁麻疹、発熱、頭痛、嘔気、咳嗽、喘鳴、血圧上昇など)が報告されていますが、重篤なものはほとんどなく、また投与速度の調整や抗ヒスタミン剤、解熱剤、副腎皮質ホルモン剤の適切な使用により、酵素製剤を継続して投与していくことが可能です。しかし、一方で酵素製剤が到達しにくい中枢神経や角膜などへの効果は期待できず、また頻回の点滴治療が生涯必要であり、今後検討すべき課題です。
酵素補充療法は上述のように臨床症状を改善し、さらにその進行も抑制するとともに、他の根治療法(造血幹細胞移植や遺伝子治療法など)に比べて安全性が高いことが利点です。そのため、早期から治療を開始することが重要であり、早期発見のためのマススクリーニング法の開発や、適切な遺伝カウンセリングの下で行われる遺伝子診断・保因者診断および出生前診断への応用に関する体制作りも整備すべき重要課題です。
酵素補充療法、造血幹細胞治療、遺伝子治療、低分子薬物療法、ケミカルシャペロン療法には、それぞれ長所と欠点があるので、これらの方法を組み合わせた副作用のない適切な治療プロトコールを確立し、将来的には包括的診断、治療システムを作り上げていくことが必要です。
《 ひいの邱・ながおの郷でお受け入れしている入居対象疾患 》
●がん(末期) ●重症筋無力症 ●多発性硬化症 ●多系統委縮症 ●進行性筋ジストロフィー
●筋委縮性側索硬化症(ALS) ●後天性免疫不全症候群 ●ハンチントン病 ●脊髄性筋萎縮症
●シャイ・ドレーガー症候群 ●慢性炎症性脱髄性多発神経炎 ●副腎白質ジストロフィー
●パーキンソン病 ●頸髄損傷 ●進行性核上皮麻痺 ●線条体黒質変性症 ●亜急性硬化性全脳炎
●大脳皮質基底核変性症 ●脊髄小脳変性症 ●スモン ●オリーブ橋小脳萎縮症
●球脊髄性筋萎縮症 ●プリオン病 ●ライソゾーム病 ●人工呼吸器の方
●気管カニューレの方
《 ひいの邱 》 ホスピスでホスピスで最期までお看取りができる施設になります。
形態:住宅型有料老人ホーム(デイサービスあり)
福岡市城南区樋井川4丁目9番15号
《 ながおの郷 》 ホスピスで最期までお看取りができる施設になります。
形態:サービス付高齢者向け住宅(デイサービスあり)
福岡市城南区樋井川4丁目4番21号
《職員募集》
緩和ケアを一緒にしたい、想いのあるケアをしたい仲間を募集中!!
現在100名以上の職員が共に働いています。
【看護師】
①日勤ができる方:常勤・非常勤(9時~18時 時間応相談)
②夜勤専従看護師:16時~翌10時 もしくは 18時~翌10時)(2時間休憩)
【介護士】
①日勤ができる方:常勤・非常勤(9時~18時 時間応相談)
②夜勤専従看護師:16時~翌10時 もしくは 18時~翌10時)(2時間休憩)
【事務職】
①日勤ができる方:常勤・非常勤(9時~18時 時間応相談)