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2024-06-16

皮膚がんについて知る① 緩和ケア専門施設(ホスピス)

福岡市でがん難病専門緩和ケア施設の住宅型有料老人ホーム ひいの邱 と サービス付高齢者向け住宅 ながおの郷 を運営しております株式会社NICEとグループホーム ひいの郷 を運営しております有限会社エス・エイチ・シーです。

今回は皮膚がんについて書いていきます。今後がん難病施設を運営するNICEでも積極的に皮膚癌の利用者様をお受入れしていきます。

皮膚にできる悪性腫瘍のことを皮膚がんと呼び、その種類も様々です。
皮膚がんの種類によって表れる初期症状も違うため、ここでは皮膚がんの中でも多くみられる基底細胞がん・有棘細胞がん・悪性黒色腫・乳房外パジェット病の初期症状を紹介していきます。

有棘細胞がん

有棘細胞がんは、表皮にある有棘層の細胞にできるがんです。紫外線が原因の一つと考えられていて顔や頭皮といった日光がよく当たる部分に多くできます。
初期症状は、肌の色が赤く変色して皮膚がかさつき表面が硬くなることです。他に、まだらに盛り上がる・しこりができるといった症状も表れます。
肌の色が変わり皮膚がかさつくことで、湿疹のようにみえることが特徴です。もし湿疹の症状があり、保湿剤やステロイド剤を使用しても治らない場合は、有棘細胞がんの可能性が考えられます。

悪性黒色腫

悪性黒色腫は、メラノーマとも呼ばれるメラニン色素を生み出すメラノサイトという細胞にできるがんです。
初めは茶色もしくは黒色のシミとして皮膚に表れ、盛り上がりがほとんどないためほくろやシミのようにみえます。ほくろとの違いは、形が左右対称ではなく輪郭がギザギザしていること・色のむらがあること・色や形、大きさが変化することなどが特徴です。

基底細胞がん

基底細胞がんは、表皮の一番深い層にある基底細胞や毛包などの細胞にできるがんで、世界で一番多い皮膚がんです。初期は直径1〜2mmほどのほくろのような小さな黒い点が表れます。
一つのタイプの特徴として、初めはわずかに盛り上がっている程度ですが、症状が進むとその盛り上がりがどんどん大きくなることが挙げられます。さらに悪化すると黒い点の中心部がへこんで潰瘍になります。

乳房外パジェット病

乳房外パジェット病は、アポクリン汗腺という汗を出す汗腺の細胞が変化してできるがんといわれています。アポクリン汗腺の多い部位にできやすいため、外陰部・肛門の周り・脇の下・腋窩などにできることが多いです。
また、アポクリン汗腺は乳頭や乳輪にも多いため乳房にできることもあり、その場合は乳房パジェット病と呼び乳がんの一種となります。初めは赤い色素斑もしくは茶色・白色の色素斑として表れて、年月をかけて少しずつ大きくなっていきます。

皮膚がんの原因

皮膚がんの主な原因は、紫外線です。紫外線は細胞の遺伝子を傷つけるため、がんの発生が促されます。
紫外線以外の原因として挙げられるものは、放射線・ウイルス感染・ヒ素などの化学物質です。さらに、喫煙や慢性的な刺激も皮膚がんの原因となるため、日常生活でも注意してください。

皮膚がんの治療方法

皮膚がんの主な治療法は、薬物療法・放射線治療・手術です。皮膚がんもがんの一種のため一般的ながんの治療法と同じく、手術で腫瘍を取り除くことで根治を目指します。
他にも薬物治療や放射線療法は、手術での根治が難しい場合や再発防止のために行います。ここからは、それぞれの治療法についてみていきましょう。

薬物療法

がん治療における薬物療法は、がんを治す・がんの進行を抑える・がんによる身体症状を緩和するために行います。皮膚がんでは、次の3つの薬物療法を用いて治療を進めます。

  • 化学療法
  • 免疫チェックポイント阻害薬
  • 分子標的薬

一般的によく耳にする化学療法は抗がん剤を使用する治療法で、有棘細胞がん・血管肉腫の治療に適しています。続いて免疫チェックポイント阻害薬は、自分の免疫細胞ががんを攻撃しやすくするための薬です。
代表的なものとしては悪性黒色腫の治療に使われます。他の治療薬より効果が表れるのは遅いですが、効果の持続期間が長いことが免疫チェックポイント阻害薬の特徴です。また、分子標的薬は、悪性黒色腫と皮膚悪性リンパ腫の治療に使われる薬となります。

放射線治療

放射線治療は、高エネルギーの放射線を照射してがん細胞をなくす治療法です。
年齢や合併症などの理由で手術が難しい場合に行うことや、手術後の再発防止のために放射線治療を行います。放射線治療では照射した場所に皮膚炎・脱毛・結膜炎を起こす可能性があるので、事前に理解しておきましょう。

手術

皮膚がんの治療は、手術をして腫瘍を取り除くことが重要です。
腫瘍の大きさによって局所麻酔・全身麻酔をして腫瘍を切除します。腫瘍を切除したあとは、皮膚が欠損するため皮膚を覆う再建術も必要です。
切除した部位やがんの進行度などによって、欠損した部分を縫い合わせる手術や、近くの皮膚を移植する手術など、その方に適した再建方法を選択して行います。
さらに、リンパ節への転移の疑いがある場合は手術のときにセンチネルリンパ節という最初にがんが転移するリンパ節を摘出し、がん細胞があるかの検査が必要です。

皮膚がんが転移するしくみ

図1を見てもわかるように、表皮には血管がありません。がん細胞は血液やリンパ液に運ばれて転移します。ですから、がんが血管のない表皮にとどまっているうちは、転移しません。しかし、その下の真皮には血管やリンパ管が存在します。がんが真皮に入りこむと、血管やリンパ管を通じてがん細胞がからだに散らばり、脳、肺、肝臓、腎臓などに転移する可能性が出てきます。皮膚がんによって命を脅かされることもあるのです。また、転移はしていなくても、がんが広がってくると切除範囲は大きくなります。そうなると機能的にも整容的にも障害が大きくなりますし、切除したところを修復するために、ほかの部位から皮膚を移植するなど、体の負担も大きくなります。ですから、内臓にできるがんと同じく、皮膚がんにおいても早期発見、早期治療が非常に大切です。

このような症状には要注意

以下のような皮膚の変化があったら、すぐに皮膚科を受診したほうが良いでしょう。

  • ここ数ヵ月で急に、ほくろが大きくなった、盛り上がってきた、出血した
  • シミが急に大きく(6mm以上)広がってできた
  • 左右非対称で縁がギザギザのほくろができた
  • 爪に黒い線が入った
  • 顔や手、お尻などにできた湿疹が、ステロイド軟膏を使っても2週間以上治らない
  • 昔やけどをしたり怪我をした部分に湿疹のようなものができて治らない
  • 陰部や肛門周辺などに、赤い斑点や皮膚の一部が白くなったような湿疹ができた
  • 最近、頭をぶつけたところの、あざが治らない
  • 以前リンパ節を郭清し、リンパ浮腫があった腕や足にあざのようなものができた

受診の結果、皮膚がんが疑われる場合は、さらに詳しい検査・診断ができるよう皮膚腫瘍の専門家がいる病院を紹介してもらいましょう。紹介先については、日本皮膚科学会が皮膚悪性腫瘍に関する診療技術と知識をもつ医師を認定する「皮膚悪性腫瘍指導専門医」という制度があり、これも手がかりになります。

ほくろと皮膚がん、どう違う?

皮膚が黒や褐色に変化するものとして、ほくろやシミ、脂漏性角化症(老人性いぼ)、基底細胞がん、メラノーマなどがあります。これらは、皮膚科医でも肉眼で見ただけでは区別がつかないことがあります。その場合、ダーモスコピーという拡大鏡で細部を詳しく観察して、はじめて診断がつきます。それでもわからないときは、皮膚の組織を取って検査する「皮膚生検」を行う必要があります。10年前からあるほくろでも、この数力月で急に大きくなってきた場合は、皮膚がんを疑います。しかし、これはほくろががん化したということではありません。 10年前からあったものが、今メラノーマと診断されたとしても、発生当時からメラノーマだったのです。ですから、「これはずっと前からあったほくろだから」と自己判断せずに、急に大きくなった場合は皮膚科でしっかりと調べてもらうことが重要です。

さまざまな性格をもつ、皮膚がん

「皮膚がん」とは、表皮のなかにある細胞ががん化したものを指します(図2)。それに対して、真皮から下にある組織ががん化したものを「肉腫」と呼びます。同じように皮膚にできたように見える病気でも「がん」と「肉腫」では、発生した組織が異なります。

さらに「皮膚がん」はどの細胞から発生したのかによっても、性格が異なり、それぞれ発症数も異なります(表1)。

表皮の基底層から発生したものが「基底細胞がん」です。皮膚がんのなかでは一番発生が多く、転移することはほとんどありませんが再発が多いがんです。「有棘細胞がん」は、表皮のなかの有棘層ががん化したものです。高齢者の顔や手足などに発生することが多く、加齢とともに罹患者が増えていきます。昔のやけどの傷あとに発生することもあります。また、このがんは、特有の臭気を伴うのも特徴の1つです。「乳房外パジェット病」は、汗腺の1つである「アポクリン腺」に由来するといわれています。

外陰部や肛門周囲に多く発生し、ときに、脇の下などにも発生します。見えづらく、また人に相談しにくい部位だけに受診が遅れ、診断されたときには大きく広がっていることも少なくないがんです。そして、基底層にある色素細胞から発生したがんが「メラノーマ」で、爪にも発生します。ほくろと区別がつきにくく、病気の進行が早い、悪性度の高いがんです。皮膚科で診るがんとして「血管肉腫」があります。正確な分類では「皮膚がん」ではなく「肉腫」に含まれ、血管の内側の細胞から発生します。高齢者の頭の怪我を契機に発症することがあり、非常にまれですが、悪性度は高く注意が必要ながんです。

《 ひいの邱・ながおの郷でお受け入れしている入居対象疾患 》
●がん(末期) ●重症筋無力症 ●多発性硬化症 ●多系統委縮症 ●進行性筋ジストロフィー 
●筋委縮性側索硬化症(ALS) ●後天性免疫不全症候群 ●ハンチントン病 ●脊髄性筋萎縮症
●シャイ・ドレーガー症候群  ●慢性炎症性脱髄性多発神経炎 ●副腎白質ジストロフィー
●パーキンソン病  ●頸髄損傷  ●進行性核上皮麻痺  ●線条体黒質変性症 ●亜急性硬化性全脳炎 
●大脳皮質基底核変性症  ●脊髄小脳変性症  ●スモン  ●オリーブ橋小脳萎縮症
●球脊髄性筋萎縮症  ●プリオン病  ●ライソゾーム病  ●人工呼吸器の方 
●気管カニューレの方

《 ひいの邱 》
形態:住宅型有料老人ホーム(デイサービスあり)
福岡市城南区樋井川4丁目9番15号

《 ながおの郷 》
形態:サービス付高齢者向け住宅(デイサービスあり)
福岡市城南区樋井川4丁目4番21号