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脳腫瘍 神経膠腫(グリオーマ)について知る①
福岡市でがん難病専門緩和ケア施設の住宅型有料老人ホーム ひいの邱 と サービス付高齢者向け住宅 ながおの郷 を運営しております株式会社NICEとグループホーム ひいの郷 を運営しております有限会社エス・エイチ・シーです。
今回は脳腫瘍のグリオーマについて書いていきます。今後がん難病施設を運営するNICEでも積極的にグリオーマの利用者様をお受入れしていきます。
脳の内部に発生する脳実質内腫瘍のひとつ
脳に発生する腫瘍には、脳実質外腫瘍と脳実質内腫瘍があります。脳実質外腫瘍とは、骨や脳を覆っている膜など、脳の外側から発生する腫瘍の総称です。一方、脳実質内腫瘍は、脳の内部から発生する腫瘍を指します。
神経膠腫は、このうち脳実質内腫瘍の一つです。
神経膠腫は脳神経を支持する細胞と形態が類似している
神経膠腫は、脳をつくる細胞の一つである神経細胞を支持する細胞である星細胞(せいさいぼう)や乏突起神経細胞(ぼうとっきしんけいさいぼう)に類似した形態をとることが知られています。
しかし、これらの細胞から神経膠腫が発生するのかは明らかになっていません。
神経膠腫(グリオーマ)の原因
神経膠腫の原因は明らかになっていません。たとえば、神経膠腫の発症に、遺伝はほぼ関連していないといわれています。喫煙などの生活環境因子との関連も認められておらず、原因が解明されていない点は特徴でしょう。
神経膠腫(グリオーマ)の分類
神経膠腫は、世界保健機関(WHO)が定めたグレード(基準)によって、重症度別にⅠ〜Ⅳに分類されます。
良性が悪性化するスピードは年単位
グレードⅡがⅢへと進行し悪性化するスピードは、一般的に年単位になります。たとえば、びまん性星細胞腫であれば、数年単位で悪性化するケースがあります。
グレードⅣ・重症の神経膠腫(グリオーマ)の特徴
グレードⅣの神経膠腫の進行は速く、注意が必要
神経膠腫の分類のうちグレードⅣは、グレードⅡ〜Ⅲが悪性化した結果としてグレードⅣになるケースもありますが、発症時よりグレードⅣの方もいます。このうち多くのケースは後者であり、発症したときからグレードⅣの膠芽腫であることが多いでしょう。
神経膠腫(グリオーマ)の症状
低悪性の神経膠腫:けいれんが主な症状
低悪性・悪性の神経膠腫では、症状が異なります。
低悪性の神経膠腫では、てんかん(けいれんなどの発作が起こる慢性的な脳の病気)が主な症状になります。良性の腫瘍は、腫瘍の塊がないこともあり、脳のなかに染み込むように腫瘍が広がる点が特徴です。それが原因となり異常な電気が脳に発生し、てんかんを起こすことがわかっています。
悪性の神経膠腫:頭痛・吐き気・意識障害などが主な症状
一方、悪性神経膠腫の場合、大きな腫瘍の塊をつくるケースが多いといわれています。脳のなかで腫瘍が大きな塊になると、脳がむくみ頭のなかの圧力が上がるので、多くの方が頭蓋内圧亢進症状(ずがいないあつこうしんしょうじょう)を発症します。
頭蓋内圧亢進症状になると、頭痛や吐き気、意識障害などの症状が現れます。さらに腫瘍の場所によっては、手足の動きが悪くなったり、言葉を話しにくくなるなどの症状が現れるようになるでしょう。
神経膠腫(グリオーマ)の治療
手術・放射線療法・化学療法が主な治療法
神経膠腫の治療法は、主に手術、放射線療法、化学療法(抗がん剤など、薬を使ったがんの治療法)になります。原則的には、切除できない場所に腫瘍がある場合を除き、手術が第一選択となります。
手術とともに、放射線療法や化学療法による治療を組み合わせるケースが多いでしょう。