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2024-07-13

胆のうがんについて知る① 緩和ケア専門施設(ホスピス)

福岡市でがん難病専門緩和ケア施設の住宅型有料老人ホーム ひいの邱 と サービス付高齢者向け住宅 ながおの郷 を運営しております株式会社NICEとグループホーム ひいの郷 を運営しております有限会社エス・エイチ・シーです。

今回は胆のうがんについて書いていきます。今後がん難病施設を運営するNICEでも積極的に胆のう癌の利用者様をお受入れしていきます。

肝外胆管がん(肝門部領域胆管がん・遠位胆管がん)と同様に、胆道拡張症や膵胆管合流異常がある場合には15パーセントから40パーセント程度と高率に胆嚢がんを生じやすいと言われています。また、胆石と胆嚢がんの因果関係は証明されていませんが、胆嚢がんの患者さんの50パーセントから60パーセント程度は胆石を合併しています。はじめは胆石や胆嚢炎の診断で腹腔鏡下(ふくくうきょうか)胆嚢摘出術を行い、術後の検査で胆嚢がんと診断されることもあります(偶発胆嚢がん)。偶発胆嚢がんには追加切除が必要となることがあります。

症状について

胆嚢がんは早期の場合、胆管を閉塞(へいそく)させることがないためほとんどが無症状です。検診や胆石発作の際に偶然発見されたり、胆石症の手術をした際に顕微鏡検査で偶然発見されたりすることが多くあります。

一方、高度に進行すると胆管閉塞により黄疸(おうだん)を生じたり、十二指腸や大腸の狭窄(きょうさく)により腹痛や嘔吐などを起こしたりすることがあります。

症状(1)黄疸

胆嚢がんが進行し、胆汁の通り道となる“胆管”が塞がれてしまうと“黄疸”が現れることがあります。黄疸は血液中にビリルビンという黄色の色素が増加することによって皮膚や目など見た目が黄色くなる状態のことを指します。

肝炎などで肝臓の機能が低下したときにみられる“肝実質性黄疸”が一般的ですが、胆嚢がんによる黄疸の場合は、胆汁がうまく流れずに血管に逆流し、胆汁中のビリルビンが血液に入り込んでしまうことが原因です。これを“閉塞性黄疸へいそくせいおうだん”といいます。


黄疸の主な症状

  • 目や皮膚が黄色くなる
  • 尿の色が濃くなったり、茶色になったりする
  • 皮膚にかゆみが生じる
  • 食欲の低下

など

症状(2)吐き気・食欲低下・体のだるさ

胆嚢がんが進行して胃や十二指腸などに浸潤すると、消化管が狭くなり、吐き気や食欲低下などの症状が現れることもあります。また、それに伴って体重が減少する方もいます。さらに、黄疸やがんの進行に伴い体のだるさが生じることもあります。

症状(3)痛み・お腹のしこり・発熱

胆嚢がんが周辺の神経に浸潤すると、みぞおちや右の脇腹など腹部を中心に痛みを感じることがあります。またがんが進行しほかの臓器に転移した場合は、ほかの部位に痛みが生じることもあります。

胆管が塞がっている場合、胆嚢が腫れることによってお腹にしこりを感じることがあります。このしこりは、進行すると外から自覚できる場合もあります。併せて胆汁の流れが悪くなることにより胆嚢が炎症を起こし、痛みが生じたり、細菌感染による発熱が生じたりすることもあります。なお発熱の症状は、がんそのものによって生じる場合もあります。

症状(4)便が白くなる

人間の便は通常茶色をしていますが、これは胆汁の色素の色によるものです。しかし胆嚢がんが進行して胆汁がうまく流れなくなると、便に胆汁の色がつかなくなり、いつもより色の薄い便や白い便が出るようになります。

胆のうがんを引き起こす特定の原因はまだ明らかではありませんが、いくつかの要因が発がんに関連していると言われています。

  1. 胆石症 
    胆のうがんの症例の50~75%に胆石を合併することが分かっており1,2,3、結石による慢性的な炎症や胆汁成分の変化ががんを誘発すると考えられています。しかし、症状のない胆石(無症候性胆石)の場合には、長期間経過観察しても胆のうがんの発生は少ないと考えられており、(5年間での発がん率は、0.3%と報告されている)4、すぐに手術を行うのではなく、定期的な経過観察が勧められます。


     
  2. 胆のう腺腫 
    胆のうにできるポリープのうち、腺腫と呼ばれる腫瘍は将来的に悪性化する危険性が高いことが知られています。胆のうに対しては、内視鏡的な組織検査ができないため、10ミリを超えてくる増大傾向のあるポリープや立ち上がりがなだらかなポリープは腺腫または、がんの可能性が高いため、手術適応と考えられます。


     
  3. 膵胆管合流異常症 
    膵管と胆管の合流形態の異常により、胆汁と膵液が胆管内で混ざりあう病態で、胆のうがん発生のリスクが高いことが知られています。合流異常が見つかった場合、予防的に胆のう摘出術が行われることがあります。

胆嚢(胆のう)がんの検査

胆嚢がんの検査には次の3つがあります。

  • 血液検査
  • 腹部超音波検査
  • CT・MRI検査


血液検査

胆嚢がんに関連する数値である総ビリルビン・ALP・γ-GTPを確認できるものが、血液検査です。
胆嚢や胆管に障害をきたしている場合、これらの数値は上昇するため、数値が正常範囲内であるかの確認が胆嚢がんの早期発見につながります。


腹部超音波検査

腹部超音波検査では、腹部に当てたプローブによって経皮的に臓器の状態を観察できるため侵襲度が低く、検査時間も10分程度と短時間で済むことが特徴です。
胆嚢がんを発見することに役立つ一方で、空気を含む部分は観察しにくいため、転移の有無など体内を詳しく観察したい場合には他の検査も組み合わせて行う必要があります。


CT・MRI検査

CT検査とは造影剤を使用した撮影を行った後、コンピュータ上で体の断面を撮影した数枚の写真を複合して、画像に出力する検査です。
撮影した数枚の写真を連ねることで、患者体内の立体的な目視を可能にします。MRI検査とは専用機械にて体内を撮影し、磁力と電波を利用して、体内を画像化する検査方法です。
これらの検査は、腫瘍の広がりや大きさなどを画像として確認できることが特徴です。

胆嚢(胆のう)がんの治療方法

胆嚢がんの治療方法には次の3つがあります。

  • 外科手術
  • 抗がん剤
  • 放射線


外科手術

胆嚢がんに対する基本術式は胆嚢摘出術ですが、転移の有無・がんの広がり・がんの大きさなどによって様々な術式を組み合わせて行います。
以下では次の4つの術式を解説します。

  • 胆嚢摘出術
  • 胆嚢摘出術と肝床切除術を組み合わせた術式
  • 拡大右肝切除術
  • 拡大右肝切除術と肝外胆管再建術

1つ目の胆嚢摘出術とは胆嚢のみを取り除く手術です。この術式はがんが胆嚢内に限局している場合に選択され、胆嚢炎や胆石症などに対しても行われます。
2つ目の胆嚢摘出術と肝床切除術を組み合わせた術式では、胆嚢の摘出に加え、胆嚢がんが浸潤している肝臓の一部も取り除く手術です。がんが胆嚢内に限局せず、肝臓の一部まで広がっている場合に選択されます。
3つ目の拡大右肝切除術は胆嚢とともに肝右葉(肝臓の右側部分)も切除する方法です。胆嚢がんが肝右葉に広がっているものの、胆管への浸潤はみられないケースで選択されます。
4つ目の拡大右肝切除術と肝外胆管再建術は、拡大右肝切除と一緒に胆管の切除と胆道の再建を行う手術方法です。胆管を切除した場合には胆道の再建が必要となるため、胆嚢がんが胆管まで広がっている場合に行われます。

抗がん剤

抗がん剤を使用する治療方法は化学療法と呼ばれ、がん細胞の成長や転移を抑えるための治療方法です。
化学療法には全身化学療法と局所化学療法の2種類があります。全身化学療法は抗がん剤の体内への投与により、薬剤が血液中を循環して体内に広がるため、全身的に治療できることが特徴です。
特にがんが進行しているケースで用いられ、がん細胞の成長や転移を抑える効果をもたらします。一方で局所化学療法とは、抗がん剤をがん細胞が存在する部位へ直接投与する方法です。
そのため、抗がん剤をがん細胞へ直接投与する局所化学療法は、胆嚢がんの転移等が無い場合の治療に向いています。しかし抗がん剤は正常組織も攻撃するため、副作用が強い点も特徴です。
主な副作用は以下の通りです。

  • 貧血
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 口内炎
  • 不整脈
  • 末梢神経障害
  • 腎機能障害
  • 血圧低下
  • 脱毛

このように抗がん剤治療での副作用は多岐にわたるため、十分に副作用への対策を行った上で治療を進めることが重要です。

放射線

放射線による治療はがん細胞の消失に放射線を用いる治療方法で、外照射と腔内照射の2種類があります。
外照射とは体表面から放射線を当てる方法です。一方で腔内照射とはシーズ・ワイヤ・カテーテルをがんの発生位置に直接留置し、がん細胞へ放射線を照射する方法です。
どちらの方法を選択するかは、胆嚢がんの広がりや転移の有無などによって、変わります。

《 ひいの邱・ながおの郷でお受け入れしている入居対象疾患 》

●がん(末期) ●重症筋無力症 ●多発性硬化症 ●多系統委縮症 ●進行性筋ジストロフィー 
●筋委縮性側索硬化症(ALS) ●後天性免疫不全症候群 ●ハンチントン病 ●脊髄性筋萎縮症
●シャイ・ドレーガー症候群  ●慢性炎症性脱髄性多発神経炎 ●副腎白質ジストロフィー
●パーキンソン病  ●頸髄損傷  ●進行性核上皮麻痺  ●線条体黒質変性症 ●亜急性硬化性全脳炎 
●大脳皮質基底核変性症  ●脊髄小脳変性症  ●スモン  ●オリーブ橋小脳萎縮症
●球脊髄性筋萎縮症  ●プリオン病  ●ライソゾーム病  ●人工呼吸器の方 
●気管カニューレの方

《 ひいの邱 》
形態:住宅型有料老人ホーム(デイサービスあり)
福岡市城南区樋井川4丁目9番15号

《 ながおの郷 》
形態:サービス付高齢者向け住宅(デイサービスあり)
福岡市城南区樋井川4丁目4番21号


《職員募集》
緩和ケアを一緒にしたい、想いのあるケアをしたい仲間を募集中!!
現在100名以上の職員が共に働いています。

【看護師】
①日勤ができる方:常勤・非常勤(9時~18時 時間応相談)
②夜勤専従看護師:16時~翌10時 もしくは 18時~翌10時)(2時間休憩)


【介護士】
①日勤ができる方:常勤・非常勤(9時~18時 時間応相談)
②夜勤専従看護師:16時~翌10時 もしくは 18時~翌10時)(2時間休憩)