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脊髄性筋萎縮症(SMA)について知る① 緩和ケア専門施設(ホスピス)
福岡市でがん難病専門緩和ケア施設の住宅型有料老人ホーム ひいの邱 と サービス付高齢者向け住宅 ながおの郷 を運営しております株式会社NICEとグループホーム ひいの郷 を運営しております有限会社エス・エイチ・シーです。
今回は脊髄性筋萎縮症について書いていきます。今後がん難病施設を運営するNICEでも積極的に脊髄性筋萎縮症の利用者様をお受入れしていきます。
脊髄性筋萎縮症(SMA)とは
背骨の中には脊髄と呼ばれる神経の束があります。SMAはこの脊髄の中にある、筋肉を動かすためにはたらく細胞(運動神経細胞)が変化して、手や足などの筋肉が弱くなっていく病気です。筋肉が弱くなることを筋力低下とも呼びます。
赤ちゃんから大人まで幅広い年齢層で発症します。
乳児~小児期に発症するSMA患者さんの割合はおよそ10万人に1~2人とされています1)。また、1歳半までに発症するタイプの患者さんの割合が高いです。
SMAの原因
ほとんどのSMAは、SMN1という遺伝子の変化に原因があります。
SMN1遺伝子は、筋肉を動かすために必要なSMNタンパク質をつくっています。
SMA患者さんはSMN1遺伝子の一部を持っていない、もしくは、持っていても変化しているためにSMNタンパク質をつくることができません。
SMN1遺伝子に似たSMN2(エスエムエヌツー)遺伝子からもSMNタンパク質がつくられます。しかし、そのほとんどは正しくはたらかないSMNタンパク質です。
このように、SMA患者さんではSMNタンパク質がわずかしかないために、脊髄にある運動神経細胞が変化して、筋肉の萎縮が起こります。
それにより、筋力が低下して手や足などが動かしにくくなり、立てない、うまく歩けないといった症状があらわれます。
SMNタンパク質の量が少ないと、筋肉だけでなく、消化器や骨など、体のさまざまなところで影響がでるとされています。
遺伝子の役割と遺伝
人間の体はさまざまな細胞からつくられています。たとえば、骨や筋肉なども細胞からできています。この細胞をつくるためには、体のどこの、どんな細胞をつくるのか詳しい情報が必要です。これらの情報を持っているのが「遺伝子」で、人間の体をつくるための設計図のようなものです。
SMAの遺伝
子どもは、両親から1つずつ遺伝の情報を受け継ぎますが、たとえば、SMAを発症していない両親であっても、SMN1遺伝子に何らかの変化がある遺伝の情報を共に1つ持っている場合、その子どもは25%の確率でSMAを発症します。
そのため、SMA患者さんのきょうだい全員が必ずしもSMAを発症するわけではありません。
SMAのタイプ
SMAは発症する年齢と、座れない、歩けないといった運動機能のレベルによって0~Ⅳ型の5つのタイプがあります。発症年齢が低いほど重症な場合が多いです。進行していく病気で、タイプによって進行の程度とスピードは異なります。
SMAの症状 3)-7)
筋力低下を中心に、SMAそのものの症状と、SMAがもとになって引き起こされる合併症の症状がみられます。
症状とその程度は、タイプや患者さんごとにさまざまです。
SMAそのものの症状
支えなしで座れない、うまく歩けないといった運動機能に関する症状のほか、手や足などに力が入らず動かしにくい、舌や指先が細かく震える、泣き声が弱いといった症状があらわれることがあります。
SMAがもとで引き起こされる症状(合併症)
特に重要なものとして、呼吸に関する症状、食べることや飲み込むことに関する症状、体の動きや姿勢に関する症状があります。
SMA診断までの流れ
SMAは乳幼児健診のほか、患者さんご自身やご家族の方が体の異変に気付くことがきっかけで発見されます。しかし、診断に至るまでに時間がかかることがあり、その間に症状が進行する患者さんもいらっしゃいます。
SMAが疑われる症状があれば、早めに小児科、神経内科、かかりつけ医などを受診することが重要です。
SMAの診断に必要な検査
遺伝学的検査
SMAを疑う場合には、遺伝学的検査を行います。
血液からSMN1遺伝子の数(コピー数)や変化などを調べます。
そこで、SMN1遺伝子の一部を持っていない、もしくは、持っていても変化しているとわかればSMAと診断されます。
SMN1遺伝子の変化がみられない場合は、ほかの原因を探す検査を行います。
検査の結果がわかるまでに数週間~1カ月程度かかることがあります。
遺伝学的検査を実施する場合には、遺伝カウンセリングにより、検査前から診断後まで、SMA患者さんやご家族の心理面や社会面も含めて、臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラー®がサポートします。詳しくは、「Voice」の認定遺伝カウンセラー®の解説ページをご参照ください。
そのほかの検査
SMAではなかった場合に、SMA以外の病気の可能性を調べるために血液や筋肉、神経、脳の状態を調べる検査などを行います。
SMAの治療
SMAの原因に対しては、SMNタンパク質をつくりやすくするお薬の治療があります。
また、SMAがもとになってさまざまな症状が引き起こされる合併症に対しても、ケアすることが必要です。
これらの治療とケアには、医師、看護師のほかにもさまざまな役割を持つ専門家がかかわります。
多くの医療関係者が、SMAを治療する患者さんとご家族をサポートしています。
血液検査や、筋肉の状態を調べる筋電図検査やMRI、神経の状態を調べる神経伝導検査、脳の状態を調べる脳波検査などを行うことがあります。
新生児スクリーニング
新生児に、生まれつきの病気がないか検査して早期に発見し、発病前から治療を始められるようにするための事業です。
検査費用は原則無料ですが、お住まいの地域により異なります。
2021年7月21日時点で、SMAはこの検査の対象ではありませんが、今後対象となる可能性があります。
大阪府、岐阜県、熊本県、千葉県、兵庫県の一部の施設では、試験的にSMAのスクリーニング検査が行われています。
《 ひいの邱・ながおの郷でお受け入れしている入居対象疾患 》
●がん(末期) ●重症筋無力症 ●多発性硬化症 ●多系統委縮症 ●進行性筋ジストロフィー ●筋委縮性側索硬化症(ALS) ●後天性免疫不全症候群 ●ハンチントン病 ●脊髄性筋萎縮症●シャイ・ドレーガー症候群 ●慢性炎症性脱髄性多発神経炎 ●副腎白質ジストロフィー●パーキンソン病 ●頸髄損傷 ●進行性核上皮麻痺 ●線条体黒質変性症 ●亜急性硬化性全脳炎 ●大脳皮質基底核変性症 ●脊髄小脳変性症 ●スモン ●オリーブ橋小脳萎縮症●球脊髄性筋萎縮症 ●プリオン病 ●ライソゾーム病 ●人工呼吸器の方 ●気管カニューレの方
《 ひいの邱 》形態:住宅型有料老人ホーム(デイサービスあり)
福岡市城南区樋井川4丁目9番15号
《 ながおの郷 》形態:サービス付高齢者向け住宅(デイサービスあり)
福岡市城南区樋井川4丁目4番21号
《職員募集》
緩和ケアを一緒にしたい、想いのあるケアをしたい仲間を募集中!!現在100名以上の職員が共に働いています。
【看護師】
①日勤ができる方:常勤・非常勤(9時~18時 時間応相談)②夜勤専従看護師:16時~翌10時 もしくは 18時~翌10時)(2時間休憩)
【介護士】
①日勤ができる方:常勤・非常勤(9時~18時 時間応相談)②夜勤専従看護師:16時~翌10時 もしくは 18時~翌10時)(2時間休憩)